マツダ株式会社は、PCを活用した先進の商談支援ツール「Visual IT Presentation」（ビジュアルITプレゼンテーション）の国内販売会社への導入を一段と拡大する。このツールは、安全性能など店頭では説明の難しい商品特性について、動画やCGアニメーション、実際の開発で使用された3次元CADデータなどを用いることで、お客様が容易に理解できることを目指したもの。特に衝突安全性能などの開発データを活用することで、よりリアリティのある説明が可能となった。

　マツダは、競争の激しい国内市場において、よりブランドイメージを際立たせるために、販売店におけるブランド強化策を、2005年よりマツダ系・マツダアンフィニ系販売会社へ展開している。この強化施策の一つであるVIPは、2005年7月に東京・横浜の店舗で試験導入を開始。試験導入した店舗では、お客様や営業スタッフから好評を博したため、昨年10月より順次、全国22の販売会社、465店舗への導入を進めてきた。同社は2007年3月末までに、さらに全国42の販売会社、700店舗以上まで導入を拡大する方針。

　「Visual IT Presentation」を活用した商談では、(1)動画による開発関係者の商品解説、(2)実際の開発現場で使用した3次元CADデータと動画を利用した衝突安全性能などの解説、(3)イメージ映像による同社ブランドメッセージ「Zoom-Zoom」^＊についての解説などが行なわれる。利用するコンテンツは、店舗内に設置されるサーバーに保存され、各商談用PC端末から無線LANを介して読み込む。コンテンツのメンテナンスは同社広島本社で行われ、データは随時更新される。

　マツダは、2005年8月に「Visual IT Presentation」に関し、ビジネスモデル特許を申請しており、今後、同ツールを全国の販売会社に普及させるとともに、今後の新型車の導入に合わせ、コンテンツのさらなる充実を図っていく。

^*2002年４月より導入したブランドメッセージ。Zoom-Zoomとは、「ブーブー」というクルマの走行音を表す英語の子供言葉で、動くことへの感動を象徴したもの。